「令和5年分」に適用することができる
令和6年1月1日に発生した能登半島地震、被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。今回の震災については被害が大変に大きかったことや、年初に発生したことを踏まえて、本来その被害が発生した年に適用される、雑損控除・災害減免法による所得税の減額免除・被災事業用資産等の損失の必要経費算入が、令和5年分に適用できることとなりました。
雑損控除と災害減免法については選択適用となりますので、詳しく見てみましょう。
雑損控除とは
雑損控除は災害または盗難・横領により、資産に損害を受けた場合に、所得控除を受けられる制度です。
① (損害額+災害関連支出-保険金等)-
総所得金額等×10%
② (災害関連支出-保険金等)-5万円
の、いずれか多い方の金額が所得控除となります。
災害減免法による所得税の軽減免除とは
災害によって住宅や家財に損害を受けたとき、災害のあった年分の所得金額が1,000万円以下の方で、被害額が住宅・家財の価額の1/2以上で、雑損控除の適用を受けない場合は、所得金額に応じて所得税額が減額免除されます。免除される所得税額は
所得額が500万円以下:全額免除
500万円超750万円以下:1/2
750万円超1,000万円以下:1/4
となっています。
すでに申告済でも修正可
被害が出ているものの、すでに令和5年分の申告を済ませている場合でも、更正の請求で各申請は行えます。
また、石川県・富山県に関しては、申請なしで申告や納付を延長する措置が講じられていますし、他の地域についても生活再建の目途が立った後で届け出をすれば、問題なく手続きが行えます。
税務は後回しにしていいのですが、雑損控除等を受ける場合、被害を受けた資産の価額や取壊し費用、り災証明などが必要となりますので、廃棄処分等の片付けを行う際には記録を取っておきましょう。
報道では被災された方から税務署に確定申告の相談があったとか。ゆっくりでいいですからね。