フリーランスが安心して働ける環境を整備
近年の働き方の多様化が進みフリーランスで働く人も増えてきました。しかし取引先との関係で報酬の不払いやハラスメントなど様々な問題やトラブルを経験していることも明らかになっています。
フリーランスと組織である発注業者間において取引上の立場の弱いフリーランスが安心して働けるために、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が11月に施行され、発注事業者が守るべき義務と禁止行為を定めています。
「取引の適正化」と「就業環境の整備」
まず、この法の対象者であるフリーランスとは業務委託の相手方である事業者で従業員を使用しないものを言い、発注事業者とはフリーランスに業務委託する事業者で、従業員を使用するものを指します。発注事業者には次のような義務があります。
①書面による取引条件の明示・・事業内容、報酬の額、支払期日、双方の名称等
②報酬支払期日の設定・期日内の支払・・
成果物受領後から数えて60日以内の日
③禁止行為・・1か月以上の業務委託をした場合の禁止事項。受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入や利用の強制、不当な利益の提供要請、不当な変更、やり直し
④募集情報の的確表示・・募集の際に内容等虚偽をしてはならない
⑤育児介護等と業務の両立・・6か月以上の業務委託でフリーランスが育児・介護が必要な事態となったとき両立できるよう配慮が必要とされる
⑥ハラスメント対策・・ハラスメントの禁止を周知させ相談に応じる体制を作る
⑦中途解約などの事前予告・・6か月以上の委託業務を中途解約、更新しない場合は原則 30日前までに予告すること
発注業者の業態によって守るべき義務項目
発注事業者に応じて守るべき義務の内容は異なっています。
A~C共通事項・・・
フリーランスに業務委託する事業者である
A 従業員を使用していない・・・上記①
B 従業員を使用している・上記①②④⑥
C 従業員を使用し一定期間以上行う委託
・・・上記①②③④⑤⑥⑦
契約名称が業務委託であっても働き方の実態が労働者である場合は労働基準法の適用者となります