ついに寄附額は1兆円を超え
個人のその年の所得・控除によって決まる控除上限金額以内の寄附であれば、自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。総務省は全国の自治体が2023年度に受け入れたふるさと納税の寄附額が、初めて1兆円を超えたと発表しました。
そんな増加傾向が続くふるさと納税制度ですが、2025年10月からは「ふるさと納税によるポイントの付与」が禁止されます。
ポイント追加付与がNG
総務省が出している「ふるさと納税に係る指定制度の運用基準」により、2025年10月から禁止されるのは、ポータルサイト運営事業者等により寄付者に付与されるポイントです。
クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等の「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるもの」については、ポイント付与はOKです。ただ、「このポータルサイトで寄附をしたら追加でポイント付与」や「寄附した際にサイト独自のポイントを付与」といった「ふるさと納税を行った特典」として付与されるポイントが禁止されます。
今回禁止する理由については「ポイント付与をめぐる仲介サイト間の競争過熱」や「各自治体がサイト側に支払う手数料がポイントの原資に含まれていれば、自治体の手数料軽減が期待できる」等が挙げられていますが、報道によればポイント付与の原資については大手ポータルサイト各社が自社負担しており、「ポイントが実質的な金品の返礼となっていることを規制したい」というふるさと納税の健全化が本音でしょう。
まだまだ地殻変動が予想される
ふるさと納税仲介サイトについては、来年アマゾンジャパンが参入するのではないかという報道もされています。アマゾンの高度な配送網等を背景に、自治体が支払う仲介手数料が低くなる可能性を示唆した営業が自治体に行われているようです。
こうした制度改革や報道に「外資系企業にふるさと納税を仲介させて良いのか?」「手数料が下がって地域に寄附が多く行くなら歓迎」「そもそもふるさと納税には反対」等、様々な声が上がっています。ただ根本的に「お得感」がある以上、これからもふるさと納税制度は一定の支持を受けてゆくのではないでしょうか。
楽天はポイント付与の禁止に大反対しており、反対署名を募っています。