帝国データバンクが調査
帝国データバンクによると、2023年中に休業・廃業、解散を行った企業(個人事業主を含む)は 5 万9105 件でした。2019年以降2023年初旬まで減り続けていた休廃業は夏以降に急増し、前年比110.6%と急増となりました。
休廃業はこれまで、持続化給付金等の資金繰り支援が功を奏し、コロナ禍でも抑制された水準で推移してきましたが、2023 年に入り支援策の縮小、物価高、人手不足問題に伴う人件費負担の増加など四重・五重の経営問題が押し寄せたため、収益面・財務面で傷ついた中小企業では「事業継続か否か」の決断を迫られ、「あきらめ廃業」を余儀なくされている、とのことです。
NHKの紹介報道
4月2日NHK夜7時「インボイス制度 意外な業種に影響」というタイトルでのニュース報道がありました。「意外な業種」とは、ズバリ「税理士」です。
2023年の廃業数の増加率が前年比で最も高かったのは「税理士事務所」だったのです。
従前から税理士の高齢化が課題となっていた中で、競争激化による顧問企業の減少、顧問料の低下など経営環境の悪化がある中で、インボイス制度の導入など新たな業務のスタートなども影響したとみられる、と前記の帝国データバンク情報にあり、これを紹介していました。
全国企業「休廃業・解散」動向調査(2023)
帝国データバンクの公開情報の「業種詳細 前年比増減率・休廃業率上位推移」の項目のところの「増加率 上位」の最上位に、「税理士事務所」があり、22年廃業30件、2023年廃業81件、前年比170%増と記されています。
「休廃業・解散率 上位」の項目のところでも、「会計事務所(税理士事務所)」は2023年廃業率4.97%で上位4位に位置するとされています。
因みに、「社労士事務所(社会保険労務士)」が2023年廃業率5.24%で、税理士事務所より上の上位3位の位置を占めています。
社労士業界の休廃業・解散率の高さの原因は、税理士業界と共通しているように思われ、消費税インボイスの登録事業者になるか否かの判断に当たり、「あきらめ廃業」に舵を切ることになったところが多いのだと思われます。
税理士の廃業数の増加率は2位の業種の85.5%の倍というダントツ一位